正式名称は、ミャンマー連邦共和国。かつては、ビルマの名で知られた。インドシナ半島西部に位置し、メコン地域の一角を占める。首都はネビドー。気候は、5~10月が雨季、11~2月が乾季、3~4月が暑季に当たる。面積は約68万平方km(日本の約1.8倍)、人口は約6000万人(日本の約2分の1)。約70%を占めるビルマ族をはじめ、135の民族からなる多民族国家である。言語はミャンマー語。国民の90%が仏教を信仰しており、5%がキリスト教、4%がイスラム教で続く。
ミャンマーの歴史
11世紀にパガン王朝が樹立したのち、さまざまな王朝が地域的な消長を繰り返し、1754年にコンバウン王朝によって再統一。しかし、3度の戦争の結果、1886年には英国領インドの1州としてイギリスの植民地となった。その後、太平洋戦争中の日本軍占領時期を経て、1948年にイギリスから独立するものの、クーデターによる政権掌握からビルマ式社会主義の一党独裁政治、さらに軍政が続き、2011年3月にようやく民政がスタートする。
2011年3月に23年ぶりの民政移管によって誕生したテイン・セイン大統領は、就任以来、国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー氏と2度会談し、NLDの補欠選挙への参加を実現。さらに、10回もの恩赦によって多数の著名な政治犯を釈放するなど、民主化を積極的に推進している。
現在のミャンマー
民主化、国民和解の進展を受け、各国はミャンマーとの関係強化を図りつつある。2012年11月に、オバマ大統領が、アメリカ合衆国の大統領としては初めてミャンマーを公式訪問。1988年の民主化運動弾圧を機に冷え切っていた両国関係は、歴史的な転機を迎える。2013年5月には、テイン・セイン大統領がホワイトハウスを訪れ、オバマ大統領と会談を行った。
各国との関係正常化を踏まえ、特に2012年以降、急上昇した海外からの投資が、ミャンマーの変化をより加速させている。首都・ヤンゴンでは、モータリゼーションの本格化に伴い、交通渋滞が激しくなった。中古車の輸入は前年比40%増の12万台強に昇り、その多くは首都周辺で消費されているものだ。また、かつては1泊60~70USドルだった五つ星ホテルの宿泊代は、現在では240~250USドル。ホテルの宿泊代は、概ね4倍にまで高騰しているという。事務所の賃料も、5~7倍に上がった。
そのビジネス環境
約6300万人の人口、9割以上の識字率を誇る労働力は、日本の企業にとっては魅力的に映るだろう。実際、衣料の縫製工場をはじめとして、日系企業の進出が始まり、現地の日本人商工会議所には現在111社が登録。もっとも、現段階では、多くの企業が、駐在員事務所を開設するにとどまっている。
政情の不透明さや宗教、少数民族問題、エネルギー問題など、不安定な要素がないとはいえないが、親日で温厚な国民性や国全体を包む成長への期待感の魅力は大きい。今後、民主化の順調なプロセス、ASEANの統合を経て、東南アジアの入口としてミャンマーの経済的な位置付けはさらに高まっていくものと考えられる。
掲載日:2014.2.5
参考資料:日本貿易振興機構の資料より作成
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