こんにちは。
アーキ・ヴォイス翻訳コーディネーターのオーです。
本日もスタッフ間での事例共有会にて、
お客様から寄せられる質問や要望に関し、
上長が共有した内容をお伝えしたいと思います。
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■■原文の意味を精確に捉えないと危険です■■
先日、日本語から複数の言語へ展開した翻訳案件がありました。
翻訳すべき日本語に、
「どうぞごゆっくり」という一文があったのですが、
この意味について各国の言語ネイティブ翻訳担当に確認したところ、
大半が「原文の意図はわかるが、このままだと翻訳ができない」とのこと。
そこで各言語のネイティブ翻訳担当に、
言葉を補って翻訳をしてみてください、
とお願いすることにしました。
すると
中国語・韓国語・アラビア語・フランス語・ドイツ語については、各翻訳担当ともに、
■ごゆっくりお召し上がりください
という、食事に使う文章として翻訳をしてきました。
一方、英語については食事に使う文章のほか、
■リラックスしてお過ごしください。
というような文章としても翻訳をしてきました。
つまり言語間で、日本語原文の解釈に違いがあったわけです。
違いを解消するため、
クライアントに対し、「ごゆっくりどうぞ」の意図と、
どこで使うのかを確認したところ、
「展示会でお客様を迎えるときの挨拶文言」として利用することが判明しました。そこで、
■ごゆっくりご鑑賞ください
のような意味の文章に、全言語を変更することにしました。
常日頃から、
「翻訳物の使用用途」をお客様に確認するようにしていますが、
今回のように簡単な文章ほど注意が必要かもしれません。
くれぐれも、
「自分の思い込み」で翻訳を行わないことです。
お客様に確認の上、判断するようにしましょう。
(以上、ミーティング内容より)
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「どうぞごゆっくり」のような言葉は
日本語に多く存在していますが、
曖昧さを残しているところにそういった日本語の特徴があると思います。
しかし、
他の言語ネイティブの方が日本語を前にした時、
曖昧さ故に意味の捉え方に幅を持たせてしまうことがあります。
簡単な文章ほど、
この誤解が多くなる傾向にありますので、
原文の意図の確認を怠らぬようにしたいと思います。