アーキ・ヴォイスの
コーディネーターです。
今日の東京は暖かく、
過ごしやすい1日です。
新型コロナウイルスのため、
7都道府県に緊急事態宣言が
出されて1週間がたちますが、
都内ではなぜか昨日から
人手が増えた気がしています。
くれぐれもご注意ください。
さて昨日、緊急事態宣言が
日本全国に拡大されることに
なりました。対人接触8割減が
うまく進んでいないようです。
とはいえ、PCR検査も相変わらず
あまり進んでいない状態で、
実際に感染者が市中にどのくらいいるのかは
わからないままの状態が続いています。
今月初め、不明確な日本の現状に
しびれを切らして、在日米国大使館は
自国民に米国への帰国を呼びかけました。
先月末には、在日ドイツ大使館も
自国民に懸念を表明しています。
「日本における感染リスクは真剣に
評価することができない」と。
一昨日、厚労省クラスター対策班の
西浦教授は対人接触を減らさないと、
国内で約85万人が重篤になり、
その内、約42万人が死亡するという
試算を発表しました。
こうした発表からは、
お願いベースの自粛要請や
同調圧力では止まらない、
人の移動に対する危機感が
感じられます。
有名人が次々と感染しているため、
感染者はかなり増えていると
思うのですが、実際のところ、
日本の感染者はどのくらいの
ボリュームになっているのでしょうか?
例えばですが、各国の人口から
感染者の比率を割り出したとしたら、
日本の現状を類推することは可能
なのでしょうか。
以下、各国の感染者と総人口を
調べてみました。
——————————————
■ 総人口における感染者数の割合 ■
——————————————
これまで日本では、PCR検査が
行われない理由として次のような
ことが挙げられていました。
・クラスター対策ができているから
・死者が少ないから
・医療崩壊を起こさせないため
かねてから、実態の把握と、
医療現場の運営は別のことでは
ないかと思っていました。
実際の感染者はどのくらい
いるのだろうか・・・
毎日発表される新規感染者の数は、
とてもすべてだとは思えない。
欧米やアジアの国々で、厳格な
都市封鎖が行われる国もあれば、
台湾やシンガポールのような、
感染者を全て追跡できる国もあります。
人口数が多ければ詳細な把握が
不可能なため都市封鎖、
人口数が少なければ全数把握、
となるのかなと思っています。
日本を考えると、人口が一定数
以上あり(1億2690万人で世界10位)、
しかも厳格な都市封鎖を
行っていないにも関わらず、
公表された感染者数がいまだ
少ないように見えます。
日本は他国と何が違うのでしょうか?
さまざまな理由が挙げられています。
・日本は清潔で手洗いの習慣があるから
・BCG予防接種が功を奏したかもしれない
・家で靴を脱ぐ文化的な習慣があるから
・欧米ではウイルスが変異しているから
・日本人が痩せているから
実態はどうなんでしょう。
そこで今回、世界各国での感染者の
割合を考え、そこから日本の
感染者数を類推してみたいと思います。
(1)4月17日現在の感染者と死者の数
まず、ジョンズ・ホプキンス大学の
サイトを見て、現在の感染者を上位10か国、
さらにウイルス対策が奏功したと評価されている
韓国と台湾、さらに日本を並べてみます。
※ご参考
「ジョンズ・ホプキンス大学『感染マップ』」
2020年4月17日正午現在
感染者数上位国 感染者数
1位:アメリカ 67万1151人
2位:スペイン 18万4948人
3位:イタリア 16万8941人
4位:フランス 14万7091人
5位:ドイツ 13万7698人
6位:イギリス 10万4146人
7位:中国 8万3428人
8位:イラン 7万7995人
9位:トルコ 7万4193人
10位:ベルギー 3万4809人
-
23位:韓国 10635人
24位:日本 9231人
-
台湾 395人
上位が現在、感染者数が多い10か国です。
いったい、各国の総人口のうち、感染者は
どのくらいの割合を占めるのでしょうか?
(2)総人口における感染者の割合
先に挙げた国々の総人口を、国連の
「世界人口白書2019」のDemographic
indicatorsで確認します。
(台湾だけは外務省に依拠しました)
そして国ごとの人口における感染者の
割合を計算してみました。
こんな感じになります。
感染者数上位国 感染者数の割合
1位:アメリカ 0.204%
2位:スペイン 0.399% ←
3位:イタリア 0.285%
4位:フランス 0.225%
5位:ドイツ 0.167%
6位:イギリス 0.155%
7位:中国 0.006% ←
8位:イラン 0.094%
9位:トルコ 0.089%
10位:ベルギー 0.300%
-
23位:韓国 0.021%
24位:日本 0.007% ←
-
台湾 0.002% ←
上記を見ると、
スペインの割合の高さが
突出しています。
割合が低い国に注目すると、
0.006%とか0.007%とか
0.002%なんていう国もあります。
台湾の場合は感染者の全数把握が
できているため、比率が少ないの
だと思います。
他の比率の低い国の場合、
例えば、数字を偽っているケースや、
検査数が少ないため実態が把握できない
ケースなどが推測されます。
(3)日本の感染者数の推測
上記の各国別の感染者割合から
日本の感染者数の実態を推測してみます。
各国の感染者の比率を
日本の総人口にかけてみると・・・
人口における感染者の割合が
米国並みであった場合(0.204%)、
日本の感染者数は25万8876人。
ドイツ並みであった場合(0.167%)、
日本は21万1923人。韓国並みだと
(0.021%)、2万6649人と推測されます。
日本の公表感染者数が9231人なので、
実態を下記のように推測することが
できるのかもしれません。
このような感じでしょうか・・・
日本の感染者数が、
・韓国並みの場合 :実態は2.8倍の2万6649人
・ドイツ並みの場合:実態は22.9倍の21万1923人
・米国並みの場合 :実態は28倍の25万8876人
実際に表を作成してみました。
「各国別感染者数と総人口(2020年4月17日)」
(クリックもしくはタップすると、拡大されます。)
以上、各国の「総人口における
感染者の割合」を日本にあてはめ、
実際の感染者数を推測してみました。
余談ですが、日本の検査不足について、
レストランの運営に喩えてみます。
通常、レストランを運営していて、
客数を把握していないのは
致命的なミスといえるでしょう。
しかし、キッチンの米が減っていない
という理由から、実際の客が少ないはずだ、
という推測は何かおかしい気がします。
また、キッチンの崩壊を防ぐためにも、
客は数えない、といった話も、
直感的に違和感を感じます。
死者が少ないので、感染者は
増えていないはずだ、医療崩壊を
防ぐためにも検査は少なくてよい、
といった説明には上記のような
違和感を覚えてしまうのです。
つまり、客数の把握とキッチンの
オペレーションは別の話だし、
客数とキッチンの米の量は
必ずしも一定ではないはず。
だとすると、周りのレストランの
状況から実際の客数を推測するという
考え方もありかなと思い、
上記表を作成しました。
振り返ると1月・2月の頃、
メディアでは中国の公表数字をもとに、
・インフルエンザよりも致死率が低い
・若い人の致死率は低い
・正しく恐れて行動を
といったことが言われてきました。
数字の信憑性は、国によって異なります。
公表された数字に対して、どの程度の
信頼を置くかは、データを確認する前の
段階の話ではと考えています。
日本の感染者数が公表数字よりも
どのくらい多いのかによって、
今後日本はどこかで厳しい現実に
直面せざるをえないと考えます。