アーキ・ヴォイス翻訳コーディネーターです。
さて、先週は京都の観光名所で外国人のマナーに
関する相談を受けたことをお話しました。
京都では、外国人観光客が花見の際に桜の木を折ったり、
トイレからトイレットペーパーを持ち帰ったりと
いろいろ困っているという・・
こうしたお話を聞きながら、昔の体験を思い出したのでした。
以前、日本語学校の寮に住まわせてもらっていたことがあり、
そこには中国人留学生が20~30人くらいいて、
毎日何かのトラブルが続いていました。たとえば・・・
・夜中に中国の学生同士が喧嘩。相手をレンガで殴ろうとしたり
・共有の台所で油をたくさん使うため、床がべたべたになったり
・ゴミの分別がわからないため、すべてを一緒に捨てたり
・池で泳いでいる鯉を釣ろうとする学生がいたり
・公共の廊下で唾をはいたり煙草を捨てたり
・お風呂で髪を切って水が逆流してきたり
・留学生が新興宗教の説話を真に受け、布教する人が寮に入ってきたり・・・
何度注意しても注意を聞き入れてくれず、
当時、困り果てていました。
先週はここまでお話したかと思います。
そのときはどうやって解決したかというと・・・
中国人の中で話のしやすい友人をつくり、
その友人に、他の中国人を注意してもらう
これでかなりの改善がなされました。
中国の方の場合、人前で注意をすると、
「面子をつぶされる」と考えるので、厳禁です。
その友人は出身地の近い者同士で
グループを作り、行動を改善していきました。
すると、、、
何度注意してもだめだったことがうまくいったのです。
たとえば、ゴミが分別されるようになったり、お風呂を
きれいに使うようになったり。
若いときの私は「なるほど」と思い、その後、弊社では
外国語講師の管理はこのときのコツを使うようにしています。
また、2008年から2011年まで、銀座で大手英会話学校の
フランチャイズ校舎を運営したことがありました。
(ちなみに、弊社の子会社で運営したのですが、これは
大失敗に終わりました。本業に影響を与えるほどうまくいかず、
最終的には事業売却をしました。この話はまたいつかします)
そのときはイギリス人、アメリカ人、カナダ人、フランス人を
雇用していたのですが、毎日、遅刻、欠勤、言い争いが絶えず、
方針をめぐってアメリカ人講師達とイギリス人講師達がいがみあう、
みたいな状況がよくありました。当時は
・個別面談を実施しても
・雇用契約書や就業規則を外国人向けに工夫しても
・インセンティブや有給の付け方を工夫しても
・ペナルティをいろいろと設定し給料と連動させても
・一緒にお酒を酌み交わしても
うまくいきませんでした。
このときも現場を解決したのは、
カナダ人をマネージャーに任命して、
管理をしてもらうということ
これでした。
アメリカ人もイギリス人も、いがみあうと
「そもそも○○国の人って・・・」
という話になったりするのですが、
カナダ人が仕切ると、驚くほどうまくいきました。
(個人の性格、能力も大きいのでしょうが、
この時以降、「○○国って・・・」
という話はなくなりました)
そんなわけで、外国の人に注意をする場合、
いまでも同じ文化圏や出身地の人から注意をしてもらう、
というのを心がけています。
話を戻すと、京都の観光地でのマナーも、このように、
同じ国の人たちから注意をしてもらえば、解決するのでは、
と思ったので、先々週の京都ではそのことをお話してきました。
たとえば、観光名所をケアする外国人ボランティアを募って、
観光客相手に注意を促したり、思いつきですが、
外国人観光客のマナーを注意するときに、
特別な動画をつくってもいいのではと思っています。
例えば中国人の場合だと、
「こんなことをすると自国民の恥だよ」
という動画を作成して、観光場所で事前に見せる、とか。。。
日本の人からマナーの注意をされても、「関係ないよ」と思う人でも
スマートフォンに動画を作って、見せるだけでも
結構な効果があるのでは、と予想しています。
今後、観光客が増えたり、定住する外国人も増えることが予想されるため、
いろいろな工夫で「多文化共生」が実現できるといいな、と思い、
東京に戻ってきたのでした。